5分でわかる「ISO感度」のこと
ISO感度はカメラで写真を撮る上で土台となる機能です。 ISO感度を調整することで、カメラが光を感じる度合いを変更できます。 では、これを変更すると具体的にどんなことが起こるのでしょうか。
ISO感度は高くするほど、少ない光量でも明るい写真が撮りやすくなります。シャッタースピードを速くでき、絞りを絞り込みやすくなります。逆にISO感度を低くするほど、明るい写真を撮るのにたくさんの光量が必要となります。
シャッタースピードは遅くなりやすく、絞りも絞り込みにくくなります。この変化はコップに水を注ぐ例で言えば、「コップの大きさが変わった」ことに等しいです。
つまり、ISO感度とは「コップの大きさ」そのものを指しています。コップが小さい状態が高感度、コップが大きい状態が低感度です。 コップが小さければ、それだけ速くコップの中の水はいつぱいになります。 ですから、シャッタースピードを速くできるわけです。
ここまでを見ると、ISO感度は高感度にしたほうが圧倒的に便利ということになります。しかし、高感度にはそれ相応のリスクが付きまといます。それが画像の劣化現象です。ISO感度は高感度にするほど、ノイズと呼ばれる粒子の荒れが目立つようになり、画像が劣化しやすくなります。これは光の情報そのものが少ないために生じる現象です。
そういった意味では、画質を優先したクオリティーの高い仕上がりを目指すならば、ISO感度は低感度で撮影したほうがいいということになります。ここは撮影時に意識しておきたい大変重要な要素です。

ISO感度のオート機能について
ISO感度は前頁で述べたような特徴を加味した上で、状況に応じその度合いを調整します。設定はISOボタンから簡単に行えます。 もちろんISO感度は、その都度変更していくのもひとつの方法ですが、日常的なスナップなどであれば、lSOオートを利用するのがおすすめ。
ISOオートはその場の明るさに合わせて、最適なISO感度をカメラが選択してくれる機能です。自分でISO感度を変更する手間が省けるという意味で、通常時はこの設定で問題ありません。 ただし一点注意したいのが、予期せず高感度になってしまうような場面です。ISOオートにしておくと、少し暗いだけでも手ブレを防ぐ目的で、大幅な高感設定になってしまったりします。
このような場合は、ISOオートの上限設定を変更しておきましょう。実は、ISOオートは上限を変更することが可能です。オート設定時の感度の上限を低くすれば、予期せぬ高感度撮影を回避することができます。