5分でわかる「被写界深度とF値」のこと2
絞り穴はその大きさを調整することで、ピントの合い具合を変更することができました。具体的には、絞り穴を大きくするほどボケは増します。これをカメラ側できちんと操作するために用いる数値がF値です。
「F+数字」で表します。F値はその数字が大きくなるほど、絞り穴が小さくなります。逆に数字が小さくなるほど、絞り穴は大きくなります。つまり、F値が小さいほどボケは増し、F値が大きいほどボケは乏しくなります。
ですから、背景を大きくぼかしてやわらかい雰囲気を演出したければ、F値を小さくします。逆に、きちんとさまざまな部分にまでピントを合わせて撮影したければ、F値を大きくします。この辺は少しややこしいですが、慣れてしまえばそれほど難しくはありません。
ボケの程度と被写界深度
ボケを表現する際に、比較的使われる機会の多い写真用語が「被写界深度」です。ピントの合う範囲そのものを指して使われます。ちなみにボケが大きくピントの合う範囲が狭い状態を「被写界深度が浅い」、ボケに乏しく、手前から背景までピントが合っている状態を「被写界深度が深い」と言います。絞りのF値はこの被写界深度の深さを調整している機能なのです。