ストロボの同調速度とは?
一眼レフに多く用いられているシャッターはフォーカルブレーンシャッターといって、先に開く先幕と、それを追いかけて閉じる後幕という2枚のシャッター幕が閉じきるまでの時間(シャッター速度)で露光を制御している。
ストロボ撮影では、2枚のシャッター幕が開ききった時点でストロボが発光するようになっている。例えばキヤノンE0S7Dの場合だと1/250秒以下ということになる。一方、1/250秒以上のシャッター速度では、シャッター幕が開ききっていないスリット状態でストロボ光が照されるため、シャッター幕に遮られたところが黒い影となって写る。
このストロボ撮影時にシャッター幕が全開になる最速のシャッター速度のことを「同調速度」という。ストロボ撮影は、そのカメラのシャッター幕全開状態となる同調速度以下でなければ使えないのだ。
軌跡を自然に残せる後幕シンクロ
ストロボが発光するのは先幕シャッターが開ききった瞬間が基本だが、後幕シャッターが閉じる直前に光らせることができる機種もある。前者を「先幕シンクロ」というのに対し、後者を「後幕シンクロ」という。
同調速度では、どちらの画像も、その差は感じられないが、同調速度よりもスローシャッターを使う場合、例えばクルマのようにその間に動く被写体があれば、定常光による軌跡を残すような効果が出る。後幕シンクロでは軌跡を残しつつ最後に被写体を明るく照らし出すことで、動きの自然な流れを写し出すことができる。