ストロボの2灯撮影時の光量比
2台のストロボを使用した2灯撮影では、ほとんどの場合2灯のストロボの光量を変えて撮影する。当然、その光量の比率は、被写体の大きさや形、凹凸の度合いに応じて調節することになる。
このぺージでは一般的によく撮影される人物を被写体に光量比について説明をする。人物撮影の場合は、光量比が少ないほど優しい描写の写真になる。一般的な例では、証明写真などがその例であまり対比を付けずに、ありのままを写すといったライティングだ。逆に光量の比率が大きいほうが力強い表現になり、男らしさとか、力強さなどを表現する場合に使われる。
ここでは広い画角で撮影し、光量比がわかりやすいように影をわざと出した撮影をしている。注意して見てほしいのは、表情の印象だ。光量比によって、影の出方などが少しずつ違っているのがわかるはずだ。光量比を変えると写真にドラマ性が加味される。
2灯撮影は、被写体の持っている表情や質感表現などを伝える手段として、光量の比率を変えて、その対比を利用した撮影を行なうことより。余談だが、特殊な表現を加味しないのならば、国内では左側が明るく右側が少 し暗い表現が好まれるようだ。一般的には左2対右1~左2対右くらいの微妙なバランスが多い。
光量比/左1:右1 左右均等な影で穏やかな印象
背景の左右に均等にできた影からもわかるように左右の光量比が1対1の2灯撮影だ。一般的に被写体に対して左右のストロボでお互いの影を薄める効果がある光量比で、とても優しく穏やかな印象に写っている。
光量比/左1:右2 左右の陰影の付き方のバランスがいい
左側のストロボに対して右側のストロボの光量が2倍大きく、その分左側の影が強く出るライティングだ。実際の撮影現場で多く使われる比率で、陰影の付き方もバランスが良く使いやすい比率と言える。
光量比/左1:右4 立体的に映るが顔に強い影が出る
右側のストロボの光量が4倍強いライティングなので、より人物が立体的に写る。だが角度によっては顔に嫌な影が多く表れる光量比なので、撮影に際しては鼻などの凹凸部分の影の出方をチェックしよう。
光量比/左1:右8 陰影の差が強く力強い印象を与え
光量比に大きな差があるライティングなので、かなり陰影も出て立体感が際立つ。実際には、力強さや存在感を強調するといった表現に用いられることが多い光量比だ。
光量比/左2:右1 自然な陰影で扱いやすいライティング
右側のストロボに対して左側のストロボの光量が2倍強いこのライティングは、陰影の付き方が自然で、最もポピュラーで扱いやすいライティングだ。ポートレートやテーフルフォトなど被写体に関係なく広く使える。
光量比/左4:右1 強い陰影差が出るため印象も違ってくる
光量比左1対右4に対して単純に左側のストロボの光量が4倍強いのだが、印象が違って見えるから不思議だ。それは人の顔の左右は同じに見えているようで実は違うからなのだが、左右どちらを強く光らせるのか、モニターする必要がある。
光量比/左8:右1 強い陰影差でパンチのある写りになった
右側のストロボに対して左側のストロボの光量が8倍強いライティングだがここまで陰影差があると、女性が被写体でも、かなりパンチの効いた写真になっている。被写体に関係なく、影の出方をしっかり意識しないと、失敗するので注意が必要だ。