オリンパス・パナソニックのストロボ互換性
マイクロフォーサーズ陣営のオリンパスとパナソニック、レンズシステムに互換性があるのは周知のことと思うが、意外にもストロボについても互換性がある。マイクロフォーサーズの規格は、あくまでレンズマウントについての取り決めなのだが、ストロボのTTL調光も相互にオートで連動するのだ。
連動するのはワイヤレス撮影も同様。さすがにカメラ側のメニュー設定は表示方法や表現方法が異なるが、ストロボ撮影に関する機能はほぼ同じといってよい。多灯撮影時に両社のストロボを混在させても、問題なくシンクロする。
また、両社に共通する優れた点として評価したいのが、露出補正と調光補正の連動・非連動が選べること。全体を明るめ、暗めに補正するときは連動が便利。背景と主被写体の明るさをそれぞれ補正したい場合は、非連動がよい。ただし、カメラ側の調光機構は異なるため、得られる露出は異なる。
オリンパスのEIM5やPENシリーズには、撮影用のCMOSセンサーを使った324分割デジタルESP測光が調光にも使われる。一方、パナソニックのGH3をはじめ、Gシリーズには144分割測光が使われている。画面の分割数はもちろん、露出判断のアルゴリズムは各社のオリジナルなので、まったく同じ撮影条件で撮影しても、露出の解釈の違いで、調光結果は一致しない。
オリンパス・パナソニックの調光システムの特徴
・定常光の測光値とプリ発光の測光値を比較して発光量を決めるTTL調光。
・ストロボには互換性があり、2社のカメラで共有できる。
・ワイヤレス撮影時に2社のストロボを混在させても連動する。
・露出補正と調光補正を連動させることも、非連動とすることもできる。
外観・機能・性能がほぼ同じ2台の外付けストロボ
ワイヤレスストロボ撮影に対応したオリンパスとパナソニックの最新外付けストロボは瓜二つ。ストロボ発光部下のLEDライト部の形状が異なるのみ。外観・機能はほぼ同じで、オリンパスのカメラとバナソニックのストロボの組み合わせでも、問題なく機能する。また、ワイヤレス多灯の場合も、2社のストロボ(FL360LとFL-600R)を混在させても、TTL調光は正常に働いてくれる。
ワイヤレス撮影に対応するマイクロフォーサーズカメラ
レンズ交換式のデジタル一眼レフでは必須機能であるワイヤレスストロボ撮影。ミラーレスカメラのマイクロフォーサーズでは、オリンパスが初期のE-P1/P2をのぞく全機種が対応しているのに対し、パナソニツクは最新のGH3、G6、GF6がワイヤレスストロボ撮影に対応。
・オリンパス対応モデル
OM-D E-M5
PEN E-P5
PEN E-P3
PEN E-PL6/PL5
PEN E-PL3/PL3/PL1s/PL1
PEN E-PM2、E-PM1
・パナソニック対応モデル
DMC-GH3
DMC-G6
DMC-GF6
露出補正と調光補正の連動・非連動を選べる
一般に露出補正と調光補正は役割が異なり、独立して設定するものだが、ストロボ調光が煩雑にならないよう2つを連動させる機種もある。ニコンの一部の機種がこのタイプ。
調光補正時、露出補正は連動しないが、露出補正を行なうと、調光補正も連動して値が変化する。例えば、露出補正を+1.0に設定すると、併せて調光補正も+1.0に設定される。また、調光補正を+0.7に設定した上で、露出補正を-1.0にすると、調光補正が連動して-0.3となる。
オリンパスとパナソニックのカメラではメニュー操作で、露出補正と調光補正の連動.非連動が選べるようになっている。
ワイヤレスストロボ撮影の設定
1.カメラのワイヤレスモード設定を行なう
まず、カメラの内蔵ストロボの発光モードを「ワイヤレスモード」に設定。GH3は撮影メニューの[フラッシュ設定]→[発光モード]で設定、E-M5は撮影メニューの[RCモード]で設定する。
2.ストロボをスレーブモードに設定する
次にストロボの電源を入れ、[RC(リモートコントロール)]モードに切り替える。[MODE]ボタンを押し、ダイヤルを回して[RC]を選択する。
3.ストロボ側の通信チャンネルを選択する
チャンネルは、初期設定では「1」になっている。チャンネルを切り換える場合は、再び[MODE]ボタンを押し、ダイヤルでチャンエル(CH1~4)を切り換える。
4.カメラ側の通信チャンネルを設定する
ストロボに通信チャンネルを合わせる。GH3は撮影メニューの[フラッシュ設定]→[ワイヤレスチャンネル]で設定。E-M5はRCモード時に表示される[スーバーコンバネ]の中から通信チャンネルを選ぶ。
5.発光グループごとに光量補正をする
スレーブストロボをグループ分けして使う場合、必要に応じてグループごとに調光補正ができる。GH3は撮影メニューの[フラッシュ設定]→[ワイヤレス設定]で、E-M5は[スーパーコンバネ]上で設定する。ここで、内蔵ストロボの本発光の有無も選択できる。
6.ワイヤレスストロボ撮影を行なう
ワイヤレスストロボ撮影の準備ができたら、テスト発光でシンクロしているか確認後、本番撮影を開始する。