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ヒストグラムの仕組みを理解する

デジカメにも表示される機能なのでご存知の方も多いと思うが、ヒストグラムはレタッチの際にも必須の機能だ。とくに、画像処理ソフトのPhotoshopシリーズを使う場合には、写真の状態を把握するだけでなく、ヒストグラムを用いた色調補正機能である「レベル補正」を使いこなす上でも覚えておきたい。

ヒストグラムを簡単に説明するなら「明るさの分布を棒グラフで表したもの」といえる。「棒グラフには見えない」とお叱りを受けそうだが、実は棒グラフを繋げているために山型に見えているだけで、横軸の明るさに対して縦軸にピクセル数を積み重ねた棒グラフに過ぎない。

これさえ分かってしまえば、あとは簡単だ。たとえば、「10」という明るさのピクセルが写真内に「100個」あったとすると、横軸の「10」の位置に高さが「100」の棒グラフを描き込む。明るさ「11」のピクセル数が「120個」なら、その隣に高さ「120」の棒グラフを描き、この作業を「明るさ0」~「明るさ255」(256階調分)まで繰り返すと山型のヒストグラムが出来上がる仕組みだ。

頭で考えるよりも、ヒストグラムの仕組みを図解しておいたので、そちらを見たほうがよく分かるだろう。

覚えておきたいヒストグラムの特性

ヒストグラムを体感的に知るには、画像ソフトなどで適当な図を描いて実験してみるのがいちばん。ここでは、画像処理ソフトのPhotoshopを例に、ヒストグラムの実験を行ってみよう。

Photoshopのヒストグラム表示には、「RGB」や「輝度」「全チャンネル表示」などがありどれを使えばよいのか悩むこともあるが、ヒストグラムの表示のされ方さえ知っていれば作業に適した表示方式が選べるようになる。

実験する際のポイントとしては、まずは黒から白の明暗だけを変えた白黒のブラシで描いてみることだ。同じ濃さで描くたびにヒストグラムの一部分が伸びていくのが分かるはず。そして、異なる明るさで描くと、今度は別の部分が伸びてくる。

白黒での変化がわかったら、今度はヒストグラムをレッド/グリーン/ブルー個別に表示して「色」のついたブラシを使って実験してみよう。「R:50、G:100,B:150」などの数値のハッキリした色を使うと分かりやすい。

この色で描くと、レッドチャンネルのヒストグラムは「50」、グリーンは「100」、ブルーは「150」の位置のグラフが伸びるのが分かる。つまり、各チャンネルのヒストグラムは、その色のRGBの成分を表示しているというわけだ。

そしてもうひとつ、ヒストグラムに関して覚えておきたいのが「輝度」と「RGB」表示の違いだ。どちらも同じように、カラーの写真を「ひとつのヒストグラム」で表示する方式だが、その特性と使い方は異なっている(Photoshopの場合)。

まずそれぞれの挙動を見てみると、「輝度」に設定した場合は色のついたブラシで描画しても反応するグラフは一箇所。つまり、RGBの要素を合成して明暗に変換した値が表示される。対して表示の設定を「RGB」にすると、三箇所のグラフが伸びる。これはレッドチャンネル、グリーンチャンネル、ブルーチャンネルのヒストグラムと同じ位置、要するに各チャンネルのヒストグラムを重ねているということだ。

一般的に露出の判断がしやすいのは「輝度」表示だが、実はこれには「ハイライトとシャドウのつぶれが正確に把握できない」というデメリットがある。その点「RGB」表示では、全体の露出は把握しづらくても、各チャンネルのハイライトとシャドウの階調を適切に把握することが可能だ。

このようにどちらも一長一短だが、レタッチの際には露出はディスプレイを見て判断できるので、ヒストグラムではハイライトとシャドウの「際」が把握しやすい「RGB」方式が適しているかもしれない。

ヒストグラムで分かること

ヒストグラムの仕組みが分かったところで、もっとも重要なこと「ヒストグラムは何の役に立つのか」を考えてみよう。

ヒストグラムは明るさの分布で、山が高いほどその明るさの面積が広いということは理解できたはず。ということは、山のピークが中央付近にあれば、データ的に露出は適正ということになる。「データ的」と付け加えたのは、写真はデータで判断するものではなく、感覚的に捉えるものだからだ。

また、デジタル写真で嫌われる白とびや黒つぶれもヒストグラムを見れば知ることができる。黒つぶれを例にすると、「黒つぶれ=真っ黒の部分」なので、完全な黒のピクセル、ヒストグラムでいうともっとも左の棒グラフが伸びていれば黒つぶれが生じている証拠。

もっとも、たいていは特定の明るさのピクセルだけでなく、その周囲の明るさのピクセルも同程度存在するので、黒つぶれのある写真では山(ヒストグラム)の左の裾野が枠からはみ出たような形状になっていることが多い。白とびなら、反対に右側がはみ出た状態だ。

そして前述したヒストグラムの表示方式「輝度」と「RGB」は白とびと黒つぶれを確認する上でとても重要で、「輝度」にしておくと各チャンネルの情報が合成されるので「白/里の完全なつぶれ」(R、G、Bのすべてのチャンネルがつぶれた状態)が把握できるようになる。

「RGB」なら「各チャンネルのつぶれ」が把握できる。たとえば「ハイライトはギリギリまで階調を出したい」などというときには、どのチャンネルもつぶさないように「RGB」表てレタッチすればよいわけだ。

このように、ヒストグラムは写真の状態を知る上でとても重要な機能である事は確かだ。しかしながら、ヒストグラムに振り回されるとこじんまりとまとまった写真になる可能性もあるので、ヒストグラム絶対主義に陥らないことも大切だろう。

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