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基準になる色をみつける

レタッチの作業ではどこかに基準となる色を見つけておくと、補正のブレが抑えられ作業しやすくなる。とくに、微妙な色を再現するならなおさらで、写真中のどこでもかまわないから確信がもてる色の部分を探しておくこと。これは、見慣れている部分、たとえば、肌の色や空の青さ、草木の緑など、なんでもよい。

スタジオ撮影などではカラーチャートを写し込んで正しい色を再現することがあるけれど、これと同じようなことを「見慣れた色」で代用して補正が大幅を防ぐのがその目的だ。私の場合なら、風景写真なら空の青さを、スナップ写真なら灰色の部補正の目安とすることが多い。

慣れた色で、わずかな変化でも取れるので、の部分を探して補正の目安とすることが多い。どちらも見慣れた色で、この部分の色が崩れないようにしていれば全体の調和が保てるというわけだ。ここまでシステマチックに考える必要はないかもしれないけれど、補正中は写真の色が様々に変化するため、目指す色調を見失いやすい。そうならないための予防策が「見慣れた色」での色調確認と考えてもらいたい。

ちなみに、どうしても正しい色を再現したいときには、市販のカラーチャートを写し込んでおくと色の成分を比較しながらレタッチできるようになる。

真似るのも近道

たとえレタッチの方針を立ててやるべきことが分かっていても、作業の手が止まってしまうことがある。たとえば、空の青を補正する場合に具体的にどんな色にすればよいのか迷うときなど。

大まかな仕上がりの目安はイメージできていても、いざレタッチを始めると微妙な色で迷いが生じるのはよくあることだ。しかも、やるべき補正がたくさんある場合には、補正済の場所と未補正部分が混在しているので、徐々に仕上がりのイメージが崩れてしまう。

このようなときに効果的なのが、「好きな写真」を見ること。空の補正をしているなら、「こんな色にしたい」という写真を眺め、その色に近づくように補正するとわかりやすい。とくに個性的な色彩を再現したいならなおさらで、お手本になりそうな色の写真を見ながら補正していくとよいだろう。

やはり、「実物の色」があるとないとでは、作業のしやすさが格段に異なってくる。「真似る」というと聞こえは悪いかもしれないが、自分の好きな色がどのような補正で再現できるのか筋道が立てられるし、繰り返すことで「見本」がなくてもイメージした色が再現できるようになるのだから、決して悪いことではない。

それに、音楽でも絵でも、まずは好きな作品を真似ることから始まるのだから、気に入った色の写真を見つけたら、自分の写真でその色を再現してレタッチの「感覚」を磨いていこう。見本を増やすという意味では、好きな写真をスクラップしておくのもひとつのアイデアだ。

あまり参考にはならないと思うが、筆者の場合、作業机の脇には色鉛筆のセットが用意してあって、色に迷ったときは実際に色鉛筆で再現して確認することもある。レタッチで大切なのは、難しい機能を使いこなす高度なテクニックなどではなくて、色を再現するための発想と色彩の感覚だ。

これは本を読んでいるだけでは覚えることができないし、かといって自分の写真をただ補正しているだけでもなかなか身に付けることができない。となると、やはり好きな色を真似ることは、感覚を養ううえでも、レタヅチの機能を覚えるうえでも、効果的な練習方法といえる。

ダメなレタッチとは?

おそらくレタッチの初心者が不安に感じているのが、「自分のレタッチは正しいのか」ということだろう。要するに、作業や仕上げに自信がもてないということだ。もしかしたら、やってはいけないことをしているのではないか、などと考え始めると不安でたまらなくなるかもしれない。

経験が浅いうちはこのように考えるのは当然で、なにがダメなのかわからないのだから仕方のないことでもある。というわけで、ここでは「ダメなレタッチ」について考えてみたいと思う。レタッチするときには「基準になる色」を参考にする方法を紹介したが、この考えに則ると、基準にしていた色があり得ない色調になっていたのでは、それは自然な仕上がりとはいえなくなってしまう。複

雑なミックス光の中で撮影したのならともかく、そうでない場合には、全体の色調は統一されているべきだ。ということは、被写体がきれいになっていても、基準となる色が大きく崩れている場合には、それを生じさせる「変な処理」をしている可能性が高いことになる。

また、「階調を見る目」が養われていないために、シャドウが真っ黒につぶれてしまう状態も初心者にはありがちだ。一見すると引き締まった高コントラストの写真のように思えても、中間調以下が極端に暗くなっているだけで、明るいか暗いかの両極端な明暗しか存在しないような写真。

初心者のレタッチには、この状態がとても多い。基本的には、質感が高いと感じる写真は、暗い中/明るい中にも「なにかがある」ように陰影(階調)が存在している写真であり、雑な補正を行ってしまうとこれらの微妙な階調をすべて失ってしまう。

そしてそれは、単に明暗のはっきりした、いわゆる「デジタルっぽい」といわれる写真だ。おそらく、レタッチの初心者と上級者の違いはこのあたりにあって、階調を気にせずにメリハリを出す初心者と、階調を大切に維持しながら補正を行う上級者、といえるだろう。

そこで、仕上げた写真に自信がもてないときには、元の写真と見比べて階調感が乏しくなっていないかを確認してみよう。元の写真では明暗や色の差が分かっていたのに、補正した写真はベタ塗りになっているのなら、補正で階調をつぶしてしまった証拠だ。もちろん、どうしても階調がつぶれてしまうこともあるけれど、このような部分をできる限り減らすことで、作品のレベルは向上していく。

それともうひとつ、自信をつける効果的な練習方法が、誰かの写真を補正してあげるというもの。人の写真を扱う緊張感、依頼通りに補正するためのテクニック、そして、ダメ出しがあればどこが悪かったのかが客観的に把握できるなど、とても役立つ練習法だ。

繰り返すことで自分のテクニックや仕上げ方に自信がもてるようになり、それはすなわち、どこに出しても恥ずかしくない作品が作れるようになるということでもある。とにかく、暗い部分や明るい部分の階調を大切にして、色にこだわってたくさんの写真をレタッチすること。

そして、独りでは完結せずに、レタッチした写真を誰かに見せたり、誰かの写真をレタッチして経験を積むこと。レタッチは孤独な作業と思われがちだが、実は相手がいる方が効果的にレベルアップできることもある。ただし、その際には相手にレタッチを教わるというスタンスではなく、あくまでも写真の感想を聞く程度に留めよう。レタッチのテクニックはひとそれぞれに癖があるので、(ある程度のレベルになるまでは)自分と異なる手法を説明されても混乱を招くだけだ。

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