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色を調整するということ

写真の色を調整する機能が「色温度」と「カラーバランス」。両機能は、目的は同じでも考え方は異なっている。まずは色温度について復習しておくと、色温度とは「光の色を数値化」した尺度のこと。色温度が低い光は赤つぼく(暖かく)、高い光は青っぽく(冷たく)見える。

「色温度」機能はこの特性に従って色を調整するため、直感的かつ写真的に補正できる点が特徴だ。対して一カラバランス」機能はというと、非常に論理的でデザイン的な補正機能といえるだろう。「カラーバランスの仕組みは、レッドとシアン、グリーンとマゼンタ、ブルーとイエローの3項目のバランスを調整するというもので、それぞれが補色関係にあるスライダーを動かして補正していく。

色温度のように変化の方向が写真に即していないため、たとえば「暖かみを出したい」という場合には、それをレッド・グリーン・ブルーのRGBに置き換えて考えなければならない点が難しい。しかしながら、レッド・グリーン・ブルーのチャンネルで構成されているデジタル画像にとっては、それぞれの要素をダイレクトに補正(演算)できるカラーバランスは理にかなった機能であることは確かだ。

写真的な変化は伴わないけれど、「赤を減らすと補色のシアンが増える」というように、論理的に色の変化が把握できる機能といえるだろう。また、カラーバランスの考え方はトーンカーブやレベル補正のチャンネルを使った色補正にも通ずるので、レタッチを極めるなら何としても使いこなしたい機能のひとつだ。

では色温度機能はというと、ある意味一開発者のさじ加減」で色の特性が決まるため、ソフトによって仕上がりが異なるという問題がある。したがって、好みに合えば使いやすい機能だが、合わないととことん面倒な機能になってしまうのが難点だ。

色温度で補正するメリット

色温度機能は先にも述べたとおり、光の色という自然の法則に従って補正することができる。そのため、写真として破綻のない色調にまとめやすいのが特徴だ。色温度機能が搭載されているのは主にRAW現像ソフトで、定番のレタッチソフトでもあるPhotoshopシリーズではCamera Rawと呼ばれるRAW現像機能に搭載されている。

したがって、色温度を補正したければ必然的にRAWで撮影することになるのだが、JPEGやTIFF形式でも市販のRAW現像ソフトなら扱えるものも多いので補正することは可能だ。ただし、JPEG画像などの場合、RAW画像ほどに自然な色調に仕上げられないこともあるようだ。その場合には別のアプローチを試すようにしよう。

別のアプローチとは、「カラーバランス」や「トーンカーブのチャンネル補正」のこと。話を色温度機能に戻すと、この機能はソフトによって特性(仕上がりの色調文が異なる点が特徴で、たとえ同じ写真を6000ケルビンに補正したとしても、ソフトが変われば異なる結果になることが多い。

これは性能の良し悪しというよりも「ソフトの個性」と捉えるべきもので、レタッチ上級者の中には仕上がりイメージに合わせてRAW現像ソフトを使い分ける猛者もいるほど。このように、ソフトごとに発色の異なる色温度機能だけに、ソフトを購入する予定があるのなら体験版で前もって確認しておくべきだろう。

また、赤っぽさと吉っぽさを調整する色温度だけでは補正しきれないこともあるため、「グリーンとマゼンタ」のバランスを調整する機能などが組み合わされていることが多い。色温度とこれらの機能を駆使して、「白が白く見える」ように補正していくのが、色温度を使った基本的な補正方法だ。

補正の順序としては、はじめに「色温度」で全体の色を整え、後に「色かぶり補正」 (PhotoshopシリーズのCamera Rawの場合)や「色偏差」(SILKYPIXの場合)などを使って色を追い込んでいけばよい。

また、色温度を積極的に使うことで、月光に照らされたような青い世界を再現したり、雪景色の冷たさを演出したり、朝日や夕日の雰囲気を高めたりなどの効果を得ることもできる。たとえ色を崩すような補正を行ったとしても、写真として破たんの少ない色彩にまとめやすい点も色温度機能の特徴といえるだろう。

綴密な補正に適したカラーバランス

色温度機能は、「光の色のルール」に従って補正するため、このルールから外れた色に仕上げるのが苦手だ。また、特殊な照明や反射などで複雑に偏った色を補正することも難しい。このような場合に使用する機能が「カラーバランス」。この機能を使えばたいていの色は再現することができる。

ただし、色温度のように写真的な変化はしないため、ラフに補正すると色調が破綻する恐れがあるので注意しよう。カラーバランスは、補色関係にある「レッドとシアン」「グリーンとマゼンタ」「ブルーとイエロー」のバランスを調整する機能だ。考え方としては、色の偏りを補正したいときには偏った色を減らすように、意図的に色を再現したしときにはその色を増やすように調整すればよい。

たとえば、赤っぽさが気になる写真なら「レッド」を減らす方向に調整すると、「補色のシアン」が増加してレッドの偏りが取り除かれるという仕組みだ。調整したい色を見極めるのが意外と難しく、赤っぽさを何とかしたいとしても、それが「レッド」なのか「マゼンタ」なのか迷うことも少なくない。

赤だけでなく青系を補正する場合も「ブルー」と「シアン」は類似しているし、「グリーン」と「イエロー」も近い関係にあるため、適切な色が選べないこともある。また、カラーバランス機能は「シャドウ」「中間調」「ハイライト」の階調別に補正が施せる(Photoshop CS/CCシリーズの場合)ので、色だけでなく補正するレベルも正しく設定しなければならない点もこの機能の難しさだろう。

そこで、カラーバランス機能を使うときには、頭で色を考えずに目で見て判断するようにしよう。スライダーを動かして色の変化を確認し、異なるようなら別のスライダーを試し、意図した色調になるスライダーを探し出すという方法だ。

乱暴な使い方かもしれないが確実な方法でもあるそして、スライダーを動かすときには、はじめは大胆に変化させ、色を見ながら徐々に振り幅を収束させていけばおのすできる患迷わ率すに素早く色が整えられる裏技として覚えておこう。とイメージに近い色に落ち着かせることが

最後に頼るのはトーンカーブ?

明暗の補正では必須ともいえる「トーンカーブ」は、チャンネルを設定することで綴密なカラーバランス調整機能として作用するようになる。トーンカーブを無理強いする気はないけれど、プロもアマもレタッチャーもデザイナーもこぞってトーンカーブを推すだけのことはあり、「トーンカーブだけあればいいじゃん」と思いたくなるほどに万能な機能だ。

しかも、補正の自由度も精度も高いのだから、トーンカーブを多用したくなるのはもっともなこと。ただし、何度も明言しているとおり、トーンカーブは扱いがデリケートで難しいため、ラフな調整は厳禁。とくにカラー調整時には明暗の調整以上に注意が必要で、「見えない劣化」には最新の注意を払う事。

見えない劣化とは、特定のチャンネルだけがあれてしまうことを差す。レッド・グリーン・ブルーの全チャンネルが同時に編集される明暗の補正とは異なり、特定のチャンエルだけを編集するカラー調整では、ひとつのチャンネルがあれても残りのチャンネルに埋もれて気付かないことが多い。

これが、後に画質劣化を招く要因になりかねない。とくに、補正量が大きいほどノイスも目立ってしまうので、補正後は写真を100%表示(ピクセル等倍)の状態で表一不して画質を確認する習慣を身につけておこう。写真全体を表示した状態は「画面の解像度に合わせて補完」された画質ということを理解し、随時拡大しながら作業を進めれば「劣化した時点で即座に対処」できるようになる。

そしてノイズや画質の劣化が確認されたときには、要因となっている補正を弱めればいい。当然仕上がりの色は変化してしまうけれど、それがレタッチの限界なのだから仕方のないことだ。ただし、画質よりもイメージを優先するのなら、そのまま完成させてもかまわない。作品性を取るか画質を取るかは制作者の意図次第。

第三者がとやかくいう問題ではないのだから気にする必要はない。もし、「そういわれても画質の荒れが」と思ったのなら、それは画質を重視している証拠。補正を抑えて荒れが目立たない状態にするか、調整レイヤーで部分的に補正を弱めてみよう。

ちなみに、カメラの種類や撮影時の設定(lSO感度やシャッター速度など)によっても潜在するノイズの状態は変化するので、レタッチに耐え得る写真が撮れるように撮影テクニックを研究することも大切だ。

色補正をラクにするアイディア

明暗や鮮やかさの補正とは異な唯、色は微妙な違いでも違和感が生じ、なおかつ、その微妙な色を調整しなければならないという難しさがある。色の補正は「経験とテクニック」といってしまえばそれまでだが、やはりなんらかの指標のようなものがほしいところだろう。

そこでここでは、色の調整がラクになるいくつかのアイデアを紹介しよう。もちろん、どんな写真にも使える絶対的なテクニックというわけではないのであしからず。覚えておくと、困ったときの解決策になるかもしれないという技だ。まず、色補正でもっとも困るのが「補正する色がよく分からない」という問題。

わずかな色のズレを違和感として認識しているにもかかわらず、その要因が把握できないという場合だ。私もしばしば、このような状況に陥ることがある。この場合、たいていはハイライトの色を調整すれば改善されることが多いのだが、もっと的確に確認できる方法がある。

それが、「バリエーション」や「カラーバリエーション」と呼ばれる機能を使う方法だ。この機能は「カラーバランス」機能を簡略化したようなもので、分かりやすくて扱いやすい。にもかかわらず、調整が少々アバウトなため、レタッチ初心者を脱するころには使わなくなる機能でもある。バリエーション機能を表示するとカラーバランスの補正と同様の結果がサムネールで表示されるので、それを見て補正する階調域(シャドウ、中間調、ハイライトの設定)や調整する色を把握しておく。

そして、補正の方針が固まったらこの機能はキャンセルして、詳細な補正が行える「カラーバランス」機能で仕上げればOK。バリエーションとカラーバランスは同じことができるので、バリエーションをプレビュー代わりに使うというテクニックだ。また、「カラーバランス」機能はシャドウ・中間調・ハイライト別に色が補正できるのが、特徴だが、それが煩わしいときもある。

そこで、全体の色を補正したい時は「トーンカーブ」や「レベル補正」のチャンネルを使ってみよう。中間調だけを調整すれば、シャドウからハイライトまでの偏りが補正できるようになる。その際、トーンカーブとレベル補正では変化の特性が異なることを理解し、両者を試してからイメージに近いほうを選ぶとよいだろう。

数値を目安に補正するテクニック

色の補正でより確実な指標となるのが色の数値だ。デジタル画像はRGBそれぞれに値が設定されていて、レタッチソフトではその色を測定することができる。Photoshopを例にすると、「情報」パネルで任意の色の値が測定可能。この機能を使えば、たとえば肌の色の偏りが気になる場合、「適切な色の値」を元に補正できるようになる。

私がよく使う設定値としては、日本人の肌の色は「シアン(C):マゼンタ:(M):イエロー(Y)=「1:2:2」というものがある。ポートレートを補正する時にはこの比率を覚えておくと便利で、私も、色が不安なときには測定しながら補正するようにしている。

もちろんこの比率を絶対視しているわけではない。「困ったときの参考」にする目安としているだけなので、当てはまらない場合もあることは理解してもらいたい。ポートレートの色補正に関しては他にも便利なテクニックがあって、そのひとつが「レベル補正」や「トーンカーブ」にある「グレー点を設定」機能で「白目」や「瞳孔の黒い部分」をクリックするというもの(Photoshopの場合)。

この機能はクリックした色が無彩色になるように補正されるので、白目をクリックすると「白目が白く」なるように全体が補正され、連動して肌の色も整えられるという仕組みだ。トーンカーブ(レベル補正)に搭載された一機能のため、補正後に微調整できるなど自由度の高いテクニックでもある。

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