ライブビュー機能の動作原理について教えて
コンパクトデジタルカメラでは比較的容易にライブビュー撮影ができるのですが、デジタルー眼レフでは機構上難しい点が多いため、なかなかライブビュー撮影の機能を搭載したカメラが出てきませんでした。最も難しい点は撮像素子の駆動時の発熱をどうするかでした。コンパクトデジタルカメラに使用されている小さな撮像素子は、それほど発熱量が多くないため問題にはならないのですが、デジタルー眼レフに採用されている撮像素子は大きく、そのぶん発熱量も桁違いに多いのです。
そのため熱ノイズが際立って目立ってきます。もう1つの難しい点はミラーとシャッターをどうするかでした。ライブビューを可能にするにはミラーをアップさせ、シャッターを開放状態に保たなくてはなりません。ところで、最も早くライブビューの機能を搭載した機種は富士フィルムのFinePixS3Proでした。しかし、背面液晶モニタにスルー画像を表示するだけで、その画像を見ながら撮影することはできませんでしたし、表示される画像もモノクロでした。
本格的なライブビュー機能を搭載した最初の機種はオリンパスのE-330でした。撮像素子の発熱問題は、発熱量の少ないMOS系の撮像素子を新規開発し、それを採用することで解決しましたoE-330には2通りのライブビューを可能にする機構が搭載されていました。うち1つは、ソニーのα350力採用しているライブビュー専用の撮像素子を使う方法です。もう1つのライブビュー機能は今ではほとんどのライブビュー機能搭載のデジタルー眼レフに採用されている方法ですがライブビュー時にはミラーをアップさせシャッターを開放状態にします。
実際に撮影するときには、ミラーが下がりシャッターが閉じて通常撮影状態になります。ここでAFとAEの動作が行われたあとシャッターが切れて撮影(露光)が完了します(ライブビュー画面でピントの合った画像を確認するためAF測距しなければならず、そのためにミラーの上下動作をする機種がほとんどですが)。撮影が完了すると、再びミラーが上がり、ライブビュー状態となります。