液晶モニタのスペックにあるドット数と画素数とは?
デジタルカメラにとって欠くことのできないものと言えば液晶モニターです。ところが、この液晶モニタのスペックにはいろいろな表記方法があって、メーカー間で統一されていないのが現状です。本来、性能を図るための指標となるスペックですが、その単位が各社各様に違っていてはユーザーは混乱してしまいます。
それでも「画素」と「ドット」の定義がしっかりとしていれば良いのですが、その点についてもあいまいになっているから困ったものです。周知の通り、液晶モニタはカラーフィルターによる面分割方式を採用したものが多数を占めており、フルカラー画素を1つ形成するためにはR(赤)-G(緑)-B(青)の画素(サブピクセル)を必要とします。
カタログが示す「画素」がサブピクセル3つを「画素」とするフルカラー画素を示すのか、それともサブピクセルの総数を指すのかで表示性能に大きな違いが出てきます。例えば「23万画素」というのは、QVGAサイズ(320×240)の液晶パネルを搭載したカメラでよく見られる表記です。320×240ならば、フルカラー画素数は全部で76800画素となるのですが、各画素はRGBのサブピクセルで構成されるので、76800×3となり、総計230400画素となるわけです。
これは数値を大きくすることによって高性能に見せるという意図もあるのかもしれませんが、むしろ慣習的な理由から用いられているようです。ただ、いずれにしても、誤解を招きやすいのは事実であり、度々指摘をされてきました。これを受け、カメラ映像機器工業会(CIPA)は、カタログや説明書に掲載するスペック項目の仕様基準・表記方法を一本化するための「デジタルカメラの仕様に関するガイドライン」を制定しました。
このガイドラインでさまざまな項目に渡って定義を設けていますが、画像モニタの画素数に関しては「画素」または「ドット」のいずれかの表記を推奨しています。もちろん、これまでのようにどちらとも取れるような内容ではなく、サブピクセル3つ(RGB)をl単位とするのが「画素」、サブピクセルの数を示すのが「ドット」というようにそれぞれの基準をしっかりと定めています。再び23万画素の製品を例に取ると、今後は23万ドットもしくは7.7万画素という表記に切り替わることになります。