絞りと被写界深度の関係を教えて
絞りとはフィルムや撮像素子に届く光の量をコントロールする穴のことで、その穴の大きさは絞り羽根によって調整されます。もっとも絞りでコントロールできるのは光量だけではありません。被写界深度も絞りと密接に関わっているのです。
ある被写体にピントを合わせたとき、その前後にもピントが合って見える範囲があります。その鮮明に写って見える前後の奥行きのことを被写界深度と言います。被写界深度が浅いほどボケは大きく、深いほどボケは小さくなると理解してもらって構いません。絞りはこの被写界深度、つまりボケの大きさもコントロールできるのです。
下に掲載した写真は、同じ撮影条件で絞り値だけを変化させて撮り比べたものです。これらを見ると、絞り開放のFl.4では手前と奥のピンが大きくぼけているのに対し、F16まで絞り込んだ写真では、かなりの広範囲にわたってピントが鮮明に写っていることがわかります。なお、被写界深度はピント位置より手前では浅く、奥になると深くなるという特性を持っています。作例ではピンを等間隔に並べていますが、ピント位置から同じ距離にあるピンでも、前か後ろかの違いによってボケの大きさがだいぶ異なっていることがわかると思います。