RAWとJPEGってどれくらいファイル容量が違うの?
まず、2つの画像フォーマットの違いについて説明しましょう。RAWデータは撮像素子が取得した豊富な階調情報を持ち、柔軟な画像調整に対応できる半面、ファイルあたりのデータ容量が大きくなってしまうというデメリットがあります。
圧縮によってデータサイズを抑える仕組みも導入されていますが、元データを損なわない可逆圧縮がほとんであり、それほど容量を小さくすることができません。最近は、RAWデータを14ビットA/D変換によって生成するデジタルー眼レフが増えてきました。それらの機種では階調の豊かな情報を得られる一方で、当然RAWデータのファイル容量が増してしまいます。
JPEGはカメラ内部で現像処理を済ませ、非可逆圧縮によってデータサイズを小さくしています。非可逆圧縮は人間の眼が認識しにくい情報を間引き、もとに戻らないことを前提として一部を切り捨ててデータを圧縮します。そのため画質劣化を招きますが、そのぶんファイル容量を小さく抑えられ、1枚の記録メディアあたりの撮影可能枚数を増やせます。
以下に現行デジタルー眼レフのRAWファイルとJPEGファイルの容量一覧を掲載しました。画素数のほか、上で解説した最近のトレンドをふまえ、RAW記録のピット数も併記しています。RAWデータのファイル容量はほとんどのモデルで10MBを超え、中には25MBに達する機種もある一方、JPEGでは1/2~1/4程度に容量が抑えられています。
ビット数が多いほど容量が多い傾向が見られ、たとえばキヤノンのEOS5DとEOSKissX2はともに1200万画素クラスでJPEGファイルの容量もほぼ同等ですが、RAWファイルの容量については14ビットRAW記録に対応したKissX2のほうが大きくなっています。これらを同一機種で比較できるよう、別表にD3,D300におけるビット数ごとの容量の違いをまとてみました。D3,D300にはRAWデータ記録に、非圧縮、圧縮、ロスレス圧縮を選択できるので、そちらも記載しています。
ただし、ここにまとめたのはメーカーのカタログや説明書に記載された数値である点に注意してください。実際の画像のファイル容量は、被写体などによって大きく左右されます。RAWとJPEGでは容量差が大きいという点は変わりませんが、数値はあくまで目安と考えていただいたほうがよいでしょう.。
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