ホワイトバランスを補正するにはどうすればいい?
各種の色補正は、ホワイトバランスと色相(色合い)が代表的なパラメータです。通常、ホワイトバランス調整には「色温度」のパラメータと、そして「色かぶり」や「微調整」といったパラメータが用意されています。色温度は、暖色系~寒色系を補正するためのもの。色かぶりのパラメータがある場合は、緑かぶり~マゼンタかぶりを補正できます。暖色=黄赤、寒色=青、そして緑やマゼンタが対象てすから、おおよその色かぶりを補正することができます。
ホワイトバランスをはじめとする色かぶりの補正はなかなか思いどおりにいかないことも多く、ましてや色温度と色かぶり、2つのパラメータを操作して追い込むのは難しいものです。現像ソフトには晴天、曇天、電球、蛍光灯といったプリセットも用意されていますが、それだけですべてをカバーできるわけでもありません。
そ人なときに使いたいのが、ホワイトバランスの1機能として提供されているスポイトの形をしたツールてす。このツールで、グレーなどの本来無彩色(やそれに近い)部分をクリックするだけで、あっという間に補正が行えます。その後、色温度、色かぶりのパラメータで微調整しても構いません。
スポイトツールを使うときの注意点は2つ。「本来無彩色である部分をクリックすること」(たとえば雲とか白い洋服とか、グレーの建物の壁など)、そして「クリックする部分はハイライト飛びやシャドウつぶれが生じていない、階調の残っている部分であること」です。スポイトツールはクリックした部分がグレーになるように全体を色補正するツールですから、無彩色部分がなければ使うことはできません。
また、ハイライト飛びやシャドウつぶれには階調がないために補正できません。これさえクリアできれば、ホワイトバランスの補正は非常に効率良く行えます。なお色かぶりを補正するには、色相(色合い)のパラメータも利用可能です。これで、画像全体の色調を整えることができます。トーンカーブをRGB個別のチャンネルで調整できるなら、チャンネルごとの調整で色かぶりをある程度補正することが可能です。
このほかの色かぶり補正機能ですが、汎用現像ソフトのSILKYPIXとPhotoshopLightroomに搭載されているのが、シャドウ部の色かぶり補正機能です。画像によってはシャドウ部に残る、緑~マゼンタの色かぶりを補正します。
光学的な条件によるものだけでなく、撮像素子の特性によってシャドウ部に発生した色かぶりを補正する際にも役立ちます。Lightroomにはハイライトとシャドウに対してさらに自由な色補正ができる「明暗別色補正」という機能も備わっており、それぞれ色相と彩度を調整することができます。ここまでこだわれば、どこにも色かぶりのない画像に仕上げることができるでしょう。