シャープやノイズを調整するにはどうすればいい?
ノイズはないに越したことはありませんが、多少のノイズにはそれほど神経質になる必要はありません。しかし、A4とかA3サイズ以上でプリントするとなると、小さなノイズも目立ってきます。できれば実際に鑑賞するサイズでプリントして、ノイズが目立つかどうかを確認しながらノイズ除去の調整をするようにしましょう。
というのは、ノイズ除去によって精細感が失われるからです。色ノイズ(色の斑点)は除去しても精細感は変わりませんが、輝度ノイズ(画像のざらつき)を除去すると輪郭がぼやけ、またテクスチャも失われて絵の具を塗ったような画質に変わります。また、ノイズ除去の処理レベルが高いほどその傾向は強くなります。
これは精細感を取るか、ノイズ除去を取るかという二者択一の問題です。ノイズ除去で多少眠くなった程度なら、次に説明するシャープ処理で回復もできますが、ノイズレスとシャープさが両立するような、あるいはある程度妥協するレベルで、ノイズ除去とシャープ処理のバランスが重要となってきます。
さて、デジタルカメラの画像は銀塩フィルムと異なり、像を取得した時点でそれがピクセルの集合になっています。実際はR/G/B個別状態のピクセルをデモザイク処理してRGBのピクセルにしているわけですが、それでもフィルムよりはシャープさが際立っています。そのため、銀塩フィルムをスキャンした画像ほど強いシャープ処理は必要ないと考えますが、写真をクッキリ見せるには、多少のシャープ処理は必要です。
現像ソフトによるシャープ処理はデモザイク化される際に行われるため、RGBピクセルに対する処理とは異なっているはずです。特にカメラに付属する現像ソフトのシャープパラメータは、レタッチソフトで行うほどの強い効果は得られませんが、比較的自然な輪郭の強調結果となります。一方、汎用ソフトではより強いシャープ処理や、ディテールに対するシャープ処理などを行うことができます。
またCaptureNXには、シャープ処理である輪郭強調以外に、アンシャープマスクというシャープ機能も備えています。ただし、シャープは強く処理しすぎるとテクスチャが荒れたりノイズが目立ってきたりするので、適度な処理を心がけます。また、ノイズ除去を行った場合のシャープネスの回復に使う場合、シャープ処理が強いとせっかく抑えたノイズがまた月立ってしまいます。バランスの良い妥協点を見つけることが大事です。