仕上がりを決めるプリセットがあるらしいけど?
デジタルカメラには、コントラスト、色合い、彩度、シャープなどを設定する機能があります。これらの設定の違いによって、画像の仕上がりやテイストが変わってきます。その画像のテイスト設定の考え方を発展させたのが、キャノンのピクチャースタイルです。
ピクチャースタイルは、それら各パラメータの総合セットと言っても良く(ただしピクチャースタイルではパラメータ値にはほとんど反映されません。そのためピクチャースタイルを設定後に各種パラメータで微調整が可能です)、ピクチャースタイルを選ぶだけで画像のテイストを変えることができます。
基本的なピクチャースタイルには、スタンダード、ポートレート、風景、ニュートラル、忠実設定、モノクロが用意されています。銀塩のフイルムを選ぶようにピクチャースタイルを選ぶことで、仕上がりが変わってくるわけです。また、キャノンはEOS40Dの登場に合わせて、ピクチャースタイルエディターというツールも用意しました。
これは、自分好みのピクチャースタイルを作成できるもので、同じような現像調整を行う場合には新たにピクチャースタイルとして登録することで調整の手間を省くことができます。ピクチャースタイルのような考え方を取り入れたカメラも最近は増えてきました。ニコンのD3,,300から搭載されたピクチャーコントロールシステムや、ソニーのα700に搭載されたクリエイテイブスタイルなどがそうです。
ピクチャーコントロールシステムでは、スタンダード、ニュートラル、ビビッド、モノクロームが用意され、クリエイティブスタイルには、スタンダード、ビビッド、ニュートラル、風景、夜景など十数種が用意されています。いずれもカメラ側でテイストを設定できるほか、RAW撮影であれば専用現像ソフトで設定を変えることができます。一方、SILKYPIXやLightroomにもテイストを決めるプリセットが用意されています。そのプリセットが豊富なのがSILKYPIXです。
SILKYPIXはホワイトバランスや色合い・彩度など個々のパラメータに各種のプリセットが用意されていますが、そのようなプリセットの総合セットとして、全体のテイストを決めるメニューがあります。これにはスーパーニュートラル、風景、ノスタルジックトイカメラ、ポートレート、夕焼けなど10種が用意されており、またパラメータセットをユーザーが任意に登録することも可能です。
Lightroomのプリセットでは、調色するようなものが多く用意されているほか、やはりユーザーセットを登録することが可能です。現像ソフトにおけるプリセットの利点は、個々のパラメータを操作せずに、仕上がりイメージに近づけることができることです。もちろん、プリセットの設定後でも各パラメータの操作によって微調整ができますから、より思いどおりの仕上がりになります。キヤノンのピクチャースタイルはプロフォトグラファーにもよく使われており、ニコンやソニーが同様の仕組みを採用したことで、プリセットの利用はさらに広がっていくものと思われます。